2006年02月01日

ニース旅行記10〜最終日〜

あっという間に最終日なのである。
今夜の飛行機で、もう日本に帰らなくてはならない。

帰りの飛行機は8時頃だから丸一日はあるのだが、今日はノースケジュール!おまけに日曜日。
遠出するのもなんだし、せっかくだからお土産でも買いながら散歩して一日だらっとして過ごす事にした。

昨日はくたびれて早々と寝てしまったので、今日も早朝暗いうちからしっかり目覚めてしまった私達。
コーヒーを飲んで、1週間過ごした部屋のお片づけから始める。


今日は朝のうちにホテルをチェックアウトすることになっているのだ。
普通のホテルと違ってアパートメントホテルであるから、結構お片づけが大変なのである。
クロゼットにしまった洋服や、お土産の整理。
キッチンにちらばった調味料、冷蔵庫に残った食料の始末、食器や調理器具のお片づけ。
こちらで買ったオリーブオイルやニンニク、封を開けていないパックのチーズなんかは密封して日本へもって帰ることになった。
日本から持ち込んだ食料やなんかを消費して空いたスペースは、こちらで買ったお土産や食料でどんどん埋まってゆく。
パッキングが終われば、お掃除である。
ベッドをソファーに直し(ソファーベッドだった)、カーペットに掃除機をかけて、ゴミをまとめる。

きれいになってしまうと、なんだか少し寂しくなった。
到着した時、なんだかまだよそよそしかったこの部屋・・・
翌日からテーブルには花や果物、パンが置かれてチラシや地図やレシートなんかでちょっと狭くなり、
ベッドにはパジャマや洋服が散乱し、キッチンには鍋やヤカン、お皿やカップ、肉屋の紙袋なんかが散らばってる。
床のカーペットにはパンくずが落ちてる。
決してきれい好きとは言えない私達であるが、そうしてガヤガヤと散らかってきたこの部屋に、「ただいま」と帰って来るここ数日だったのだ。

初日に買ったテーブルのアネモネの花は、少し色あせてきてはいるけどまだまだきれいに咲いている。
これだけは最後まで捨てることが出来なかった。
掃除の人に心の中で「ごめんね、手間を一つ増やして」と謝って、部屋に残して来た。

まだ夜は明けたばかり。ホテルのフロントもまだ開かない時間。
「ゴミ捨てがてら、散歩に行こう!」
1週間分のゴミを二人でかかえて、ホテルの裏手のゴミ捨て場に捨てに行き、そのまま海辺への道を下って行った。

早朝に清掃車がきれいにしたばかりの街路はまだ濡れていて、海辺からの光に反射してキラキラした光を放っている。
その道の先に見えるのは、朝日にきらめく青い海と少し雲がかかる青い空。
思えばこの1週間、曇りがちな日は一日あったものの、雨が降ることも無くずっと晴れたままだった。
11月は雨が多いと聞いていたのに、本当にラッキーだった。

連れを海辺のベンチにすわらせて、私は波打ち際で石拾いに熱中した。

私は海外に行った時は必ず自分へのお土産にその土地の石を拾ってくることにしている。
石にはその土地の記憶が刻まれている。
私もその土地を一瞬でも歩いた記念に、その記憶のおすそ分けを頂いてくるのだ。
不思議とその石を触ると、その記憶と自分がそこに居た時の記憶がよみがえって来るような気がする。

ニースの海岸の色は、ここの小石からなる色で成り立っている。
私もこの海岸の色が再現できるように、慎重に色を選びながら小石を吟味してそろえた。
今は玄関のコーナーでサン・ポールでひろったどんぐりと一緒に思い出を引き出してくれている。

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有名なネグレスコホテル

さて、海岸で遊んでいるうちにホテルのチェックアウトの時間になったのでホテルに戻った。
フロントに荷物を夜まで預かってもらって、またお散歩へ出かけた。

今度は、旧市街まで海辺を走るバスへ乗ろうと思ったのだが、バス停で待ってたところにおじさんが親切にも「今日は日曜だからバスこないよ」と教えてくれて、まあいいか、とまた海辺をてくてく歩いていく事になった。
旧市街の外のカフェで連れはコーヒーと読書休憩。
私はまたまたお買い物へ。

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おさかなの広場には
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おさかなの市

旧市街の店は日曜なのでほとんどがお休みで一部しか開いていないけれど、私は自分や仕事仲間の為のお土産に名産のオリーブ石鹸を買い込んだり、ちょっとした食器を買ったり、ラベンダーのサシェを買ったり。
クッキーショップで量り売りのマカロンを手土産に買って連れの待つカフェへ戻った時はもう既にお昼を過ぎた頃だった。
軽くお昼にして、さあこれからどうしよう。

その時になって初めて、私達はニースのメインストリートであるジャン・メドゥサン通りのウィンドウショッピングなんて事を全くしていない事に思い当たった。
フランスの町である。繁華街にはデパートもあるしきっとお洒落な店があるだろう。
数日前に観た屋台のサラミも気になっていた。

ところが、私達はよく解っていなかったというか忘れていたのである。ヨーロッパの日曜がどういうものかという事を。

屋台などはその存在さえなかったように消えうせ、通りの店はシャッターを下ろし、ギャラリー・ラファイエットをはじめデパートは全て閉店。
通りは、歩く人さえまばらで静まり返っている。
見事な程の休日である。あっけにとられてしまった。
スーパーマーケットさえも休みである。
最後に、サラミとマッシュルームを買い込んで行こうと思っていた私の思惑は見事に崩れ去った。

あきらめて海辺のプロムナード・デザングレまで出ると、反対に人はどんどん増えている。
名物のブルーのベンチは隙間無く海を眺めたり本を読んだりする人で埋まり、人々は思い思いに犬を散歩させたり、ジョギングをしたり、子供達はローラーブレイドで走り、老人たちは手をとりあって散歩する。

そうか、ここでの日曜はそうやって海を観ながらのんびり過ごすのが決まりなんだ・・・
私達も、公園で鳥にえさをやったり、途中のマクドナルドでコーヒーを飲んだりしながら、のんびりと午後を過ごす覚悟を決めた。
 
午後もいい時間になり、陽が地平線を意識しはじめた頃、私達は海辺のブルーのベンチに腰を落ち着けた。
今日はここで、最後の夕日を眺めるのだ。
旧市街で買ったマカロンをかじりながら、だんだんと落ちてゆく夕日を見つめる。
空に目を転じると、あちこちに飛行機雲が現れては消えてゆく。
数時間後には私もあの一つになっているだろう。
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美味しかったマカロンは、途中から連れが日本に持って帰るのだと言って食べさせてくれなくなった。
もっと買ってくれば良かった・・・
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陽は落ちた。さあ、気持ちの区切りはついた。

荷物を預けてあるホテルへ戻る途中、1週間お世話になったパン屋さんで、リンゴとアプリコットのタルトを買った。
飛行機の中で食べよう。
箱に入れ、紐をかけてくれたそれは、なんだかすし屋のおみやを思い出させられた。

荷物を受け取り、バスでニースの空港へ。
空港の手荷物検査で、私が手にぶら下げてるそのタルトは注目を浴びた。
X線検査をすませた出口付近に、さらにチェックする係員が数人いて、そこのお兄さんに呼び止められたのである。
「それなに?」
まあ、あちらとしてもそうたいしたものじゃないと解った上でたずねてるのだとは思うが。
「タルトポンム・・・」
箱の蓋の端を少しめくると、中からタルトのいいにおいが・・・

さんざん大笑いされた。そんなに可笑しいか?

そして乗り込んだエアフランス機。
最後に見たニースは海岸沿いのどこまでも続く街灯の光だ。
1週間、のんびりさせてもらいました、ありがとう・・・

パリが近づくと、窓からは凱旋門やエッフェル塔の明かりが見えてきた。
放射線状に伸びるパリの道。
近いうちに絶対パリにも来るんだ!

シャルル・ドゴール空港での乗り換え。
今度セキュリティチェックに引っかかったのは連れの方だった。
さっさと終わった私が隣の列で検査を受けていた連れの様子を見ると、なにやら靴をぬがされ、セーターをまくりあげられている。

何事!!!私の知らないうちになんかヤバイものでも・・・

係員3〜4人に囲まれてなんだかよく解らないポータブルの機械で検査されている。

原因は何のことは無い、寒がりの連れがあちこちに貼り付けていた使い捨てカイロだった。
めんどうなことにならなくて良かった。
そもそも、到着が結構遅れたので成田行きのフライトの時間もかなり迫っているのである。
こういう時に限って搭乗口は一番奥。
シャルル・ドゴール空港ってなんでこんなにどこまでもグルグルまわんなきゃならんの?
私は二人分の荷物を担ぎ、手にはタルトをぶら下げ、ガシガシ歩く。

搭乗口では、日本人係員が待ち構えていた。私達が最後らしかった。

こうして、とうとう私達はフランスを後にした。



posted by ruru at 00:46| Comment(2) | TrackBack(0) | 旅行記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お疲れ様です。ニース旅行記ついに最終回、なんだか感無量です。私もバタバタ〜と終了させてしまいました。(これから手直し予定)終わってしまうと祭りの後みたいに寂しいですね。でも、こうして書くと思い出をじっくりと噛み締めて消化することが出来ますね。

そうか・・・カイロは引っかかるのか・・・。
メモメモ・・・。

また次の旅行記を楽しみにしています!
Posted by emily_711 at 2006年02月04日 00:11
すっかり年も越して、月まで越してやっと日本に帰ってきました(笑)
他にも思い出すことは色々あるけど、その時にまた書こうかな。

カイロはやっぱり怪しいですよね。一瞬ミッドナイトエクスプレスか・・・と思いましたよ。
Posted by ruru at 2006年02月04日 20:48
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