2005年03月23日

ラビリンス 魔王の迷宮

最近、オペラ座の怪人にはまったついでに、孤独に屈折した愛情表現の下手な悲劇の色男というのを思い出す事が度々あって、ふと思い出したのがこれ。

ラビリンス 魔王の迷宮

画像はサントラのものだけど

Labyrinth: From The Original Soundtrack Of The Jim Henson Film

少女時代の自分がかなりはまってしまったこの映画を思い出したのだ。

プロデューサーにジョージ・ルーカス
監督がジム・ヘンソン

ジム・ヘンソンって最近知っている人も少なくなったと思うけど、セサミ・ストリートのキャラクターを作った人といえば、なるほど、と思っていただけるはず。(カエルのカーミットとか)
マペットという、手やコンピュータで動かす人形制作に関しては間違いなく第一人者として名を馳せた人。
CGがあたりまえになった昨今の映画には必要ないのかもしれないけど、私は大好きだったアーティストだ。
惜しいことにもう亡くなってしまっている。



キャストは、主人公のサラに、当時ティーンアイドルだったジェニファー・コネリー、魔王ジャレスにデビット・ボウイ。
その他はすべてマペットという、ちょっとデビット・ボウイが歌って踊る場面がミュージカル仕立てのファンタジー映画だ。

少女期のジェニファー・コネリーの美しさと、ちょっと盛りを過ぎたけどまだまだ現役のデビット・ボウイの妖しい魅力が満載の映画なのだ。


ストーリーは・・・

記憶に頼っているので間違っていたり誇張してしまっていたりする箇所があるかもしれないが、
なにせかなり昔に見たものなので。

主人公は夢見る少女サラ(ジェニファー・コネリー)。
サラには実の父親と継母、その二人の間に出来た赤ん坊の弟トビーがいる。
実の母親は女優で、彼女も女優を夢見ている。
その日も、公園でペットの犬相手に、演技の練習を(と称して空想に浸っている)しているのだが、父と出かける継母に、弟のトビーの子守を頼まれてしまう。

むずかるトビーが手に負えないサラは、つい 
「あんたなんかゴブリンにさらわれてしまえばいい」と自分の愛読書「ラビリンス」にあった呪文を唱えてしまう。

その途端、弟は消えてしまい、そこに魔王・ジャレス(デビット・ボウイ)が現れて、夢を映し出す水晶玉と引き換えにトビーを自分のものにしたいと迫る。
そして、13時間以内に魔王の宮殿へ救いにこなければ、トビーをゴブリンに変えてしまうと言って姿を消す。

サラは弟を救うために、魔王のラビリンス(迷宮)へ足を踏み入れる・・・・。

道中、サラはいろいろと仲間を見つけて、宮殿への道を進むのだが、魔王はいろいろと邪魔立てをする。
奇怪な怪物やら謎解きやらトンネルやら臭〜い沼やら、なかなか楽しい細工がこれでもかと出てくる。

その間、魔王はトビーをいたく気に入り、自分後継者として育てるのだ、と歌ったり踊ったりしてトビーをあやす。

サラは仲間の助けを得ながら、何とか宮殿へたどり着くものの、多次元空間のようなところで、トビーには手が届かない。

ラスト近く、魔王はサラに舞踏会の幻影を見せて、サラと踊り、弟の事は諦めるように諭し、求愛する。

「私を崇拝し、愛してほしい。そうすれば、私は喜んでおまえの僕(しもべ)になろう・・・」

弟を救い出さなければならないサラは、「あなたのいいなりにはならない」と拒絶する。

その瞬間、宮殿は崩壊し、魔王は破滅する。


あらすじはこんな感じ。
ストーリーは単純なおとぎ話なんだけども・・・

なんにしろ、少女時代の私はデビット・ボウイの妖しい魅力にやられてしまったのだ。

前半、ただの難題をふっかける魔王に過ぎないんだけど、話が進むにしたがってだんだんと様相が変わってくる。
たしかに王ではあるが、自分の周りは軽蔑するゴブリンばかり。どこにも友人も理解者もいない生活。
まともな会話すらできない。手下に囲まれながら孤独に苛まれる人生。
自分と同類の存在を求めて、赤ん坊をさらい、自分の後継者として育てようというとする。

ところが、だんだんとこれは、本当はサラを求めるための口実だったのかもしれないと思われてくるのだ。

ジャレスが求めたのは、自分と共にいてくれる存在、自分を理解し、共に歩み、愛してくれる存在。

小娘に対して、しもべになろう、とまで言う恋に陥る危険な男、そしてその言葉が似合ってしまうデビット・ボウイ・・・
ティーンエイジだった私はどきどきして眩暈がした。


そもそも、ラビリンスとは、サラが愛読していた本のこと。
本の中の世界は、サラに拒否されることで、崩壊する。

最後の瞬間のジャレスの表情が切ない・・・



見た当時、しばらく現実に戻ってこれなかったのだけど、この映画で一つだけ、どうしても受け入れ難いことがあった。
ラストで、ラビリンスの世界が崩壊した後だったか、最後の生き残りのゴブリンが、いままでサラのお気に入りだった人形やおもちゃや化粧道具やその他いろいろな物を並び立ててサラを引きとめようとする。
サラは「ガラクタだわ・・・」と言う。
ゴブリンは消え、サラは弟を取り戻す。

ここの一点だけが、私にはどうにも納得できなかった。理解は出来るのだけど。
それまで大切にしていた本の世界、空想の世界やお気に入りのおもちゃをガラクタだと捨て去ることで、大人になるのだ、
という構図にどうしても納得がいかないのだ。
今でもやっぱり納得いかない。  
私はやっぱりいわゆる大人にはなれないのかもしれない。

でもなんだかんだ言って、こんなに詳細をよく覚えているのだから、やっぱり相当ツボにはまったのだろうな、と思う。


さらわれた弟を救いに行くという設定は、絵本作家のモーリス・センダックの「まどのむこうのそのまたむこう」からいただいた設定。
魔王の宮殿の異次元空間ぶりは、エッシャーの絵のよう。
たしか当時、両者からきちんと著作権の問題で了承をもらっていたということで、妙に関心した記憶がある。

ところで、この映画、現在ビデオも手に入らないし、DVDも発売されていない。
レンタルでみつけたらかなりラッキーかもしれない。

自分としても、記憶の中で美化されてしまったような気もするので、もう一度見直したら結構チープに感じたりするのかもしれない、と 敢えて探そうとはしていないのだけど。
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追記
その後もラビリンスについて書いてます。

ラビリンス 魔王の迷宮 サウンドトラック →
ラビリンス コレクターズエディション DVD発売 →
ラビリンス DVD本編を観て →
*********************************************************************

追記

2005年8月24日にめでたくDVD発売が決定しました!

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この記事へのコメント
Ruruさんこんにちは!またまたお邪魔させてもらってます。
「それまで大切にしていた…世界を捨て去ることで、大人になる」
と言う構図に納得いかないとのくだりに、胸をつかれました。
確かに、確かに。しかし、長らく忘れておりました。
私も少女時代は夢も空想もあったのに、
いつからか、自分の実人生の方がドラマになってしまって。
それが「オペラ座の怪人」により、海のもくずとなったはずの世界が
津波のように戻ってきたところです。(10代の頃の痛みや苦しみも共に。)
ラビリンス、私は見ていないんだけど、「ス○リーン」とかの雑誌で読んだ記憶が。
(ヤマト、ガンダム覚えてますよ。世代がバレますね^^;。)
「オペラ座の怪人」クリスティーヌの立場から見れば、
ファントムは大人になる前の空想や恐れを実体として表現したもので、
彼女はそれを捨て去るのではなく、自分の一部としてしっかりと
受けとめることにより、大人になるのではないかな、と思ったりします。
人によってはそれは重くて、掃除した方が生き易いのでしょう。
持っていくか、掃除するか、はそれぞれの生き方により、
だから大人になれないのではないと思うんですが。
そうそう、英語版の「オペラ座〜」本屋さんで見つけました。
やはりカットされてますね。読み易くはなっていますが、
翻訳者は男性?女性のこんな気持ち、
許せなかったのかな。

Posted by emily at 2005年03月28日 12:03
emilyさん、こんにちは!またまたいらしてくださってうれしいです。

>彼女はそれを捨て去るのではなく、自分の一部としてしっかりと
>受けとめることにより、大人になるのではないかな、と思ったりします。

思いっきりうなずいてしまいました。

そして、もう知らなかった頃には戻れないのだという淡い痛みも同時に感じるのですよね。

話はちょっとそれますが、クリスティンのその後を思うとき、
タイタニックで年を重ねたローズが言う
「女は海のように秘密を秘めているの・・・」
というセリフを思い出してしまいました。
Posted by ruru at 2005年03月29日 22:44
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